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「狩猟の季節」 [狩猟・動物]


(昨シーズンのワンシーン)

 ようやく雪の季節だ。そう、狩猟の季節だ。
週末の冬の森のガイド以外には、毎日のように山へ獣を追っていく。
そして獲れた獣の解体も日々続く仕事。
今は余ることなく売れている獣肉だが、シーズンも半ばを過ぎると余ってくる。
それらの獣肉はどんどんと猟友会や、田歌舎の冷凍庫にストックされていく。
狩猟は決して稼ぎの良い仕事ではない。
売れなければ当然1銭にもならない。
獲れた肉を無駄にせず。品質の良いものも悪いものも、それ相応の使い道があって、何とかお金に換えていく。

 取引先との信頼関係。
例えばフランス料理を僕はよく知らないが、どのような部位をどのように使うのか、血抜き、真空などの保存方法など、出来る限りシェフたちが望む品質や取り扱いを聞き出しながら、猟師だからこそ知りえる季節によって変わる品質、やオス、メスの違い、個体差についてなど、きっとシェフにも知り得ないだろうより詳細な肉質についての情報を伝える。また、自然が相手である以上、可能な事、不可能な事などを正直に伝えながら、お互いに量、品質、価格共より希望に近い取引が出来るように努めてきた。
それは既に猟師の仕事を超えているようでもあるが、本当に獣肉のことを知り尽くし、和食、洋食またはアジア料理など様々な可能性を探り、それに見合う獣肉を選び、期待を裏切らない販売が出来るのは猟師だけなのだから、今の時代は獲るだけが猟師ではないと思っている。また、そうでないとただの趣味でしか成り立たない。

 言い出したことはやり遂げる。
僕の所属する知井猟友会は現在約10名。狩猟者としては僕が最年少で、最年長は73歳になる。
年配の親父たちはかつて剥製や熊の胆などが高価に取引され、猪や鹿肉もはるかに高価格で取引された「引く手あまた」の良い時代を経験している。それが今や、獲るだけでは全く成り立たない経済状況の中、僕たちの新しい取り組みに理解を示し、若手の奮闘を見守ってくれている。ただし、猟師の世界。どこかの「ヤ」のつく世界と似たような気質のある世界。
結果がついてこなければ成らない世界。

まあ、やり遂げればいいだけのことだ。


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