「うなぎのおっさん」 [狩猟・動物]
(写真:‘うなぎ’ではなくて、‘まむし’と‘わたし’)
朝早くから犬達が吠えている。
「なんぞ獣がそばに来ているのだろう、うるさいなー」
と寝ぼけながら、鳴き声を無視してまた眠りにつこうとしたら、今度は「ピーッ!」と甲高い声が2回した。
「むむ、シカがそばまで来てるな」
と、寝ぼけている頭が少し動き出す。
「そろそろ鹿を獲りたいところやな~。あ~今起きて勝負したら、獲れそうやな~」
と、うだうだしながらようやく薄目を開いてみると、まだ薄暗く、ゆっくりと夜が明けているところ。
ようやく頭が作動する。
「今起きたらチャンスや!」
そう、鉄砲は夜に撃つ事は出来ないのだが、夜が開けたら朝の早いのは問題ないのだ。
夜里に下りてくる獣達で、まだ山に戻っていないものが時々いるのである。
そう思ってようやく起き上がり、窓から山のほう、川のほうを眺める。
川のそばに軽トラが1台停まっていた。
「なんや、あの軽トラを見て犬どもは吠えとったんか。まあでも折角起きたしちょっと動いてみよう。」
と、鉄砲かついでマウンテンバイクで出かけてみた。
朝4時10分。
「さっきのシカのなき声は、軽トラのおっさんが近づいてきて鳴いとったんやナ。」
鹿は、ビックリしたり、ちょっと怒ったり、つまり警戒音として、「ピーッ」と鳴くことが多いのだ。
鳴いた主はとっくに山へ逃げていっただろう。
ところで、その軽トラのおっさんは川でうなぎの仕掛けを上げていた。
「朝もはよから元気なおっさんやな~」
さて気を取り直し、河原でぼさっとしている鹿くんがいないかと、川を見ながら自転車を走らせていると、新たに軽トラが1台俺を抜き去ってゆく。
過ぎ去る軽トラの荷台には、アンちゃんが1人風に吹かれて乗っている。
「今度はこいつら何やっとんじゃ??」
「こんな朝早くから、元気なやつもいるもんや」
ときっとお互い思っているんだろうな。
俺も、折角やし本気でやってみようと家に戻り、犬達を連れてやっぱり軽トラで、狙いを定めた谷へ向かった。
さっき抜き去った軽トラは、野郎3人組だったみたいで、川のそばに軽トラを止めて、
やっぱりうなぎの仕掛けを引いていた。
「そうか、そろそろうなぎの季節やな。今年は俺も挑戦してみたいな。」
と、うなぎ獲りには、興味を持ちつつまだ手を出していないのだが、おっさんどもに気持ちを煽られながら、頭を鹿モードに戻して谷へ入った。
結局、「うなぎのおっさん」に翻弄された犬と、「シカの声」に翻弄された私が
眠たい昼間を過ごす羽目になりました。
結果は聞かないでね。 チャンチャン
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はじめまして!
鹿がピーっと鳴くとは知りませんでした。
結果がチャンチャンは残念でしたね。それにしても、ワンコたち
たくましくてかわいいですね♪
by むくむく (2005-06-01 14:18)