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「異変かな~?」 [狩猟・動物]

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(夏野菜の屈辱をバネに秋野菜はがんばってます!)

 地球温暖化。暑い。このことは日本中誰でも肌で感じていること。
田舎で生活していると明らかに温暖化に伴って変化、悪化していることが暮らしや
自然の中で多く感じられるのはもちろんだけど、予期せぬ形で現れる今年の変化の
数々は温暖化のせいなのか、あるいは自然のサイクルの中の変化なのか、いろいろ
驚かされるばかりだ。

 畑。
 梅雨が明けるまでの雨と風と低温で田歌舎の夏野菜は農業人生最大の不作になっ
てしまった。田歌は毎年、春先から初夏にかけてに数回、台風並の強風が吹き荒れ
ることがあるのだけど、今年の奴は特にひどかった。
 トマトやなすびなどの夏野菜の定植を完了し、玉葱が結球しだし、ジャガイモが
2本立ちに整えられ土寄せを終えたちょうどその頃に吹いた一撃は、夏野菜を壊滅
させ、玉葱の根を引きちぎり、ほとんどのジャガイモの芽を吹き飛ばしてしまった。
そしてその風は畑にとどまらず、田歌の集落のある家の片屋根(7M×2.5M)を構
造材(垂木や屋根板など)ごと20Mほど吹き飛ばしてしまった。上からのぞけば
屋根の下の部屋が丸出しになったおもちゃのお家みたいな状態だ。そして、僕が7年
ほど前に建てた近所の木工屋(A-WORKS)の作業場の屋根トタンがすべて吹
き飛ばされてしまった。
 自分で立てた建物が災害にやられたことは初めてのことで、非常に悔しい思いが
した。
 その風が去った後も雨と低温が続き壊滅状態の夏野菜を回復させることは難しく、
やっと野菜が食卓に溢れてきたのは8月も盆を過ぎた頃からだ。

 そして、雨と風だけでない他の敵もこの春より突如として猛威を振るいだした。

 もぐら。
 以前から共存してきた彼らではあるが、今年は以上に数を増やし、すべての畝を
縦横無尽に掘りつくし、野菜の根を痛めつけいく。種をまいて発芽をしても、もぐ
らの新設したトンネルの地上部は一筋になって枯れていく。それが日ごとに何筋も
やられるのだからたまらない。せっかくきれいに育ち始めたお野菜が日を追ってモ
ザイク模様になっていくのだ。

 「なんでモグラがこんなに増えたんだ??」

 思い当たることが一点。以前から畝たてをする都度に畝を掘り起こす小動物がい
て、駆除してやろうと春先に檻を設置したところ、1匹のテンを捕らえることがで
きた。思い返せばこやつを処分した後から急激にモグラが増えたように思う。
実はあのテンは畑で活躍していたのだ。

 夏野菜の不作の悔しさから秋に向けての野菜つくりにはひと際力を注いでいるの
だけど、今も引き続きもぐらの被害に手をこまねいている。
肉でも捧げて畑にテンを呼び戻さなくては・・・。

 そして原田くんが手掛ける自然農法園では別な動物も猛威を振るっている。
鹿・イノシシの進入は防げているはずなのに、大豆は全滅し、人参も消えてゆく。
いったい何の仕業かと悩んでいたらある日1匹のウサギさんが畑を囲むネットとト
タンの間に挟まっていたそうだ。意気揚々とウサギを手に台所へと進む原田君だっ
たが、ウサギはどうも一匹ではないようだ。こちらの被害もなかなか収まらない。

 田歌舎の農園にはそんな小動物たちの変化だが、地域全体で見ればアライグマと
アナグマの被害が激増している。その駆除を地域より依頼され、この春からいった
い何匹の小動物を殺したことか・・・・。

 余談というか大切な営みというべきか、ただ殺すのは申し訳ないと、途中から切
り替えて、ありがたく食べてやることにしたところ、アライグマは絶品だった・・
・。


 さてさて、そうなるとこれは一匹だけの問題ではなくて捕食動物のキツネやテン
が森全体から減少しているのではないだろうか。という考えが頭に浮かんでくる。

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(サルに食い散らかされ、踏み倒された田んぼ。アイガモ農法で無農薬で上手くいってたのに・・・・・。)

 そして次はサルの仕業。
これも今年は凄まじい。田歌舎では毎年の恒例のごとし、春先のシイタケを数十枚
持っていかれたが、田歌集落ではほとんどの菜園で夏に入ってから毎日のようにサ
ルの襲撃を受け、ことごとく夏野菜がもぎ取られていく。サルは人を良く見ている
ので若者の多い田歌舎の畑には寄ってこないが、おじいさん、おばあさんの菜園は
軒並み全滅だ。野菜を口いっぱいにくわえ、さらには小脇にお土産を抱えて山へと
戻る姿の可笑しいやら、腹立たしいやら・・・・・・。

 そして秋が近づき更なる被害が発生する。
なんと米を食いだしたのだ。
かつてから稀にはあったそうだが、今年は群れになって毎日のように何処かの田ん
ぼで稲を食い散らかしている。地域より駆除を切望されて、二群れから1頭ずつ仕
留めることに成功したが、以前ならこれでしばらく寄り付かないはずだったのに、
今年に限ってその効果は薄く、間もなく群れになって田んぼに戻ってきてしまった。

そしてある日、いよいよ田歌舎の田んぼにも群れが侵入し0.1aほどの面積を見る
も無残に食い散らかされてしまった。

「いよいようちもサルに仕返しされたわ~~あ、はっはっは」

なんて集落の人たちと笑い話にしてみるものの、被害を見たときの腹の立ちようと
いえば、言葉に言い表せられるものではない。

「今度来てみろ。ブチ殺してやる~~~」

と鉄砲を手に出来る我々はまだいいほうで、ほとんどの人たちはまったくお手上げ、
泣き寝入りである。

 でも、これもまたサルの異変ということではなくて、サルが暮らす森の異変だと
考えるべきだろう。

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(がんばってくれたアイガモたち。と、被害を受けていない美しい田んぼ)

 近年鹿が減った美山の森に次にはイノシシが急増を始めた。
イノシシは元来の米好きだ。収穫を間近にしてイノシシの被害が出てくることはも
う間違いない。しっかりと草を刈り電柵の威力を整備しておかなくてはならない。

 そうしてつい先日、朝早くから犬が大騒ぎをしていた。
「サルか!小物か~~?」など思いながらな眠たい目をこすりながら犬を放してや
ると、間もなく家の周囲でハクビシン(外来種・害獣)の子ども2匹を連続して捕
らえた。「こいつらか~~」などとと思っていたら次にはキツネがふらふらと近く
を通りがかるので、「なんやねん一体?!」と思いつつもそのキツネも捕らえさせ
た。

 案の定、その小物3匹とも疥癬という皮膚病で、すっかり痩せ細り、見るも無残
な状態だった。そうでもなかったら明るい時間にそんな間抜けに家の側でふらふら
しているはずのない動物達だ。疥癬は皮膚の中で繁殖する目に見えないダニが引き
起こす皮膚病で、なかなか自然治癒することのない厄介な病気だ。野生動物は治療
が出来ないので疥癬によって命を落とすものも多いのだが、犬にうつっても面倒な
ことになるので、仕留めた小物どもの始末を済ますとすぐに木酢液で犬の体を洗浄
してやった。
 そんなこんなしていたら次にはサル出没の連絡が・・・・・。

「ほまるさん!下條の田んぼにサルがきてます!!お願いします!!」

 美山の森ならいいのだが、里が動物園と化してきた。

 もう、何が異変か自然なのか訳が解んなくなってきた。
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